#東亰ザナドゥ 考察#06 小日向純(ジュン)
東亰ザナドゥの考察記事です。
さて、ユキノさんの次は、この人物を。
紅顔のヌルオタ美少年
まずは、表面的なキャラクター概要を。
ジュンはコウたちとは高校入学からの仲ですが、コウのもっとも親しい友人のひとりとなっています。
見ようによっては美少女に見えかねないほど美しい顔立ちで、柔和な性格もあって、ゴロウ先生に匹敵するほどクラスメイトの女の子から人気があります。
その可愛さは、リョウタが女の子に勘違いしてしまい、告白をしてしまったほど。これは、リョウタの黒歴史となりました。
そんな人気を誇るジュンですが、あまり女の子たちには興味がないようで、しかも完全無欠オタクのサブローと親しい仲。アニメやゲーム、フィギュアなどに至るまで、いわゆるオタク趣味に広く浅くハマっている、典型的な「ヌルオタ」です。
イベントや会話で、また、アクティブボイスでもアニメの話題などをそこそこの頻度で口にしますし、ミニゲームの「ＧＡＴＥ ＯＦ ＡＶＡＬＯＮ」は、きれいだからという理由だけで、リアルのカードを所有していたります。
カードゲームでの強さもＬｖ３と、マユちゃんよりは強いけれど、その程度……と言ったところで、完璧にヌルくハマっている感じです。
また、怪談や神秘の類に造詣が深く、リョウタのする怪談をに同じ話題をさらに深く掘り下げてやり返し、リョウタを心底怖がらせる、なんてことをしています。
はっきりとドＳの所業です（笑）。コウいわく「天然Ｓ」。
推定「聖霊」の眷属。
ジュンは、そんな「表」の顔の裏側に、とんでもない事情を隠し持っていました。
その正体は、刻印騎士団と呼ばれる、ネメシス執行者や、ゾディアックの精鋭を軽々と圧倒する異能を持つ、聖霊教会が抱える異能者なのでした。
その強さは、天使の怪異を軽く一撃で瀕死に追い込んでしまうほど。
ぶっちゃけ「もう、こいつひとりでいいんじゃないかな？」ってキャラクターその②ですね（笑）。
アスカが言うところによれば、刻印騎士たちは「異界の絶対封印」のために動いており、その為ならば、慈悲も憐憫もなく、怪異とその元凶――それが人間であれ――とを討ち滅ぼすといいます。
さて、ここからがわたしの考察となります。
ジュンは最終話において、復活したグリムグリードたる「魔女」からの攻撃を、一瞬の隙をつかれ直撃させてしまい、胸部を貫通されてしまいます。
適格者などの、異界では人並み外れた能力を発揮する人間であったとしても、どう見ても致命傷なのですが、異能の本格発動によって、重傷なだけで生命には別状ないレベルにとどまります。
重傷と言っても、ケイコ先生の見立てで全治三週間程度でしかない、ある意味「軽傷」で、しかもそれを１日半で回復させています。
はっきり言って、この世界においてであっても「人間」ではありえません。
そして実際にジュンは――まさしく「人間」では（もはや）ないのでしょう。
刻印騎士とは、ジュンによれば、「主と聖霊に魂と血肉を捧げ、認められた者」だけがなれるものです。
そして得る異能は、どんな適格者・霊能者をも圧倒するほど大きなものです。
さらに話は飛びますが、第６話での「天使憑き」の症状についての解説によれば、怪異とあまりに深く結びついた場合、眷属として異界の住人となるとされています。
これらを総合すると、ジュンは「主」に自らを捧げものとし、「主」と霊的に深く結びつき異能を得た「神の眷属」であり、文字通りの「神の代理人（預言者）」だと考えられます。
それならば、「認められた（ごく一部の）」者だけがなれるのは当然です。
何故なら、こんな強大過ぎる怪異と霊的に繋がりを持ったなら、瞬時に人間という存在が消し飛びかねないと、容易に想像がつきます。認められないとなれないのではなく、正しくは神という存在に耐えられる意思をもつ者だけがなれる（さもなくば死んでしまう）のでしょうね。
故に、「主」の神格が性質からしてまったく異なりますが、「成り立ち」としてはユキノさんと近しい人物なのではないか、と思われます。
下手をすると……十字架に磔にされて槍に貫かれても、復活してくるかもしれませんね（ぉぃ。
……そして、卵とかうさぎとかで祝われる、と。
まあ、強力な（レベルが高い？）刻印騎士は、本当にそれぐらいの芸当はできるかもしれません。
余談・ひとでなし。
最終話でのジュンの「ネメシスの執行者よりも刻印騎士は『人でなし』なんだろう」という自嘲は、「もはや自分は人間ではない」という意味も含んでいるのかもしれません。カッコ付きで強調されているという点で、通常言われる意味での言葉であるとは考えにくい（メタい……）ので。
